ブームの熱源として機能し続けているのが、視覚と味覚を刺激するメディアの存在だ。TBS『マツコの知らない世界』をはじめとする人気番組で紹介された名店の逸品は、瞬く間にSNSを駆け巡り、翌朝には店舗の前に数十メートルの待機列を生み出す。栗の品種ごとの食べ比べや、知られざる職人のこだわりが特集されるたび、消費者の舌は急速に肥えていった。
「食べログ」などのレビューサイトで上位に君臨する名店の評価を紐解くと、単に「甘くて美味しい」ことではなく、メレンゲの湿気を含まない軽快な歯触り、栗ペーストの滑らかさ、絞り出されてからの提供スピードへの評価が際立っている。口コミの定着によって、ユーザーは「本当に価値のある一皿」を鋭く見極めるリテラシーを手に入れた。