血液がんの治療は、精密に計算された抗がん剤投与と造血幹細胞移植という、完全な科学の領域で進められる。感染症リスクが極めて高い免疫低下状態において、外部からの不特定多数の接触やエビデンスのない施術は、一歩間違えれば致命的な感染症を引き起こす危険すら孕む。
医療関係者の間からは当時、強い懸念の声が相次いだ。「民間療法それ自体を全否定はしないが、標準治療の阻害や感染リスクを高める行為は容認できない」という立場だ。特に影響力を持つアスリートや著名人が怪しげな療法に頼る姿が拡散されると、他の闘病中の患者にも誤った情報や淡い期待を与えかねないという社会的な倫理課題も浮き彫りになった。