熱海の祭りを語る上で欠かせないのが、独特のリズムを刻む伝統芸能「しゃぎり」だ。かねや太鼓、笛の音が街中に響き渡ると、地元の人々の血が騒ぎ出す。少子高齢化で全国の地方祭りが存続の危機に瀕する中、熱海では若者や子供たちが進んで練習に励む光景が日常となっている。
UターンやIターンで熱海に移住してきた20代の若者たちも、町内会の山車引きや演奏に積極的に加わっている。「最初は外者として緊張したが、太鼓のバチを握れば一発で仲間になれた」と語る移住者の表情は誇らしげだ。伝統が排的なものではなく、新しい住民を受け入れるオープンなコミュニティの基盤として機能している。