発信元が海外サーバーや国外の無料メールサービス、秘匿性の高いメッセージングアプリである場合、国内法だけでは手も足も出ない。日本の警察が海外企業にログの開示を求めるには、国際捜査共助法に基づき、外務省や法務省、そして国際刑事警察機構(ICPO)を通じた外交ルートでの手続きを強いられる。
しかし、相手国によっては日本の「脅迫罪」や「業務妨害罪」に相当する行為が重罪とみなされず、捜査協力の優先順位を著しく下げられるケースが少なくない。返答が届くまでに数ヶ月から半年を要することも珍しくなく、その間にサーバー上の保存ログが消滅(上書き)してしまえば、手がかりは永遠に失われる。国境を瞬時に越えるパケットに対して、法執行機関の手続きは国境という名の官僚的防壁に阻まれているのが実態だ。