運転免許統計を精査すると、もうひとつの驚くべき傾向が見えてきます。それが都道府県別免許合格率推移における地域格差です。合格率が80%を超える地域が存在する一方で、特定の県では65%前後まで落ち込むなど、都道府県公安委員会によって10%以上のギャップが常態化しています。
受験者の間では長年、「東京の鮫洲や府中、大阪の門真はひっかけ問題が多くて難しい」「地方の免許センターは受かりやすい」といった噂が語り継がれてきました。しかし、警察関係者への取材や交通工学の観点から分析すると、問題用紙そのものの難易度差だけが原因ではありません。
地域差を生み出す主因は、大きく分けて2つあります。第1に「合宿免許帰りの受験者比率」です。都市部の免許センターには、地方の合宿免許で実技と仮免を短期間で終え、地元に戻ってから数週間ぶりに学科試験を受ける層が集中します。教習所卒業から日数が空くほど知識の定着度は薄れ、合格率の押し下げ要因となります。第2に「指定自動車教習所ごとの学科指導方針」の違いです。卒業前に厳しい効果測定を反復させている地域では、試験場での合格率が高水準を保つ傾向があります。つまり「問題の難しさ」ではなく「受験準備の完成度」が数字に表れているのが真相です。