ネット上の掲示板やSNSでは、イタリア代表の国際大会躍進に対して「代表選手のほとんどがアメリカ生まれで、実質的にアメリカのBチームではないか」「自国の野球が強いわけではない」という冷ややかな指摘が散見されます。しかし、この言説はイタリア野球の構造的進化を見落とした一面的な誤解です。
イタリア野球連盟(FIBS)は過去20年間にわたり、MLB機構と緊密に連携しながらティエッポロ(トスカーナ州)などに公認アカデミーを設立し、自国生まれのユース層の育成に莫大な投資を行ってきました。その成果として、イタリア国内で生まれ育ち、米マイナーリーグの門を叩く生え抜き選手が確実に増加しています。
代表チーム内におけるメジャーリーガーたちの役割も、単なる「雇われ外国人」ではありません。マイク・ピアザ監督が主導したプロジェクトの本質は、メジャーの最先端メソッド、データ分析の活用法、そしてプロとしての勝利への執念を、国内組の若手選手へ直接注入する「技術移転」にありました。MLB選手たちとロッカールームを共にし、同じグラウンドで戦った国内出身選手たちが、セリエAや欧州の舞台へ戻ることでリーグ全体の水準を引き上げる好循環が生まれています。