このジャンルの広がりを語る上で欠かせないのが、多様化するコンセプトの存在だ。広大な空間に膨大な蔵書と居心地の良いカフェ空間を融合させ、ライフスタイル提案型の店舗として全国展開を成功させた蔦屋書店は、スターバックス コーヒーとの強力なコラボレーションによって「Book & Cafe」というスタイルを広く普及させた。また、老舗である紀伊國屋書店も店舗内に上質なサロン風カフェを併設するなど、本と出会う空間の質を高める取り組みを続けている。
一方で、よりエッジの効いた独自モデルも登場している。入場料を支払うことで膨大な本とフリードリンクを一日中楽しめる「文喫」は、本を買う場所から「本と出会うための時間を買う場所」への転換に成功した代表例だ。さらに銀座の「森岡書店」のように、「一冊の本だけを売る」という極限まで削ぎ落としたミニマリズムを掲げる店舗も存在する。大規模な複合型から尖った専門店まで、選択肢の幅はかつてないほど豊かだ。