小室哲哉のビジュアル史を振り返ると、時代ごとの音楽性とリンクした鮮烈な変化が際立ちます。1980年代のTM NETWORK黎明期からブレイク期にかけては、ボリューミーなレイヤーカットや中性的なマッシュウルフがトレードマークであり、当時から先鋭的なファッションアイコンとして若者を牽引していました。
社会現象となった1990年代の「小室ブーム」時代には、サイドを刈り上げたツーブロックやシャープなショートヘア、ハイライトを入れた茶髪など、多忙を極めるトッププロデューサーらしいスマートで都会的なスタイルを確立。globeや安室奈美恵、華原朋美らのプロデュース現場で見せたストイックな短髪姿を記憶しているファンも多いはずです。
2010年代以降、徐々に髪を伸ばし始めた彼は、プラチナブロンドやシルバーホワイトといったハイトーンカラーを導入。かつてのシャープな男性像から、柔らかさと神秘性を兼ね備えた唯一無二の佇まいへとシフトを遂げました。若い頃から一貫しているのは、「常に人々の半歩先を行くアヴァンギャルドな自己演出」という点です。