デジタルツールが連絡手段のデファクトスタンダードとなったことで、お見舞いの作法にも地殻変動が起きている。かつては失礼とされた「メールによるお見舞い」は、いまや「相手の時間を奪わず、体調の良いタイミングで読める最も慈悲深い手段」として完全に定着した。
しかし、そこで新たな議論を呼んでいるのが「LINEのスタンプ機能」や「送信時間帯」のマナーである。
筆者が取材したマナーコンサルタントによると、LINEを活用したお見舞いには明確な境界線が存在する。
まず、「スタンプ単体での送信」は原則として避けるべきだ。「お大事に」というキャラクターのスタンプ1個だけをポンと送る行為は、送る側にとっては気軽でも、受け取る側には「手抜き」「軽薄」という印象を与えやすい。スタンプを使うのであれば、1〜2行の心のこもったテキストメッセージを添え、その文末に感情を和らげる補助として添えるのが大人のマナーと言える。
また、「長文のスクロールメッセージ」も重篤なエラーとなる。画面いっぱいに埋め尽くされた文字は、発熱時や術後の朦朧とした意識の患者にとって視覚的暴力に等しい。スマートフォンの1画面にスクロールなしで収まる長さ(150〜200文字以内)にとどめるのが鉄則だ。
送信する時間帯についても繊細な配慮が求められる。病院や自宅療養中の相手は、不規則な睡眠サイクルに入っていることが多い。深夜はもちろんのこと、早朝や昼食直後の仮眠時間(13時〜15時)の通知音は回復の妨げとなる。緊急連絡ではない以上、平日の日中(10時〜17時)に送り、メッセージの冒頭か末尾に「通知で起こしてしまっていたらごめんなさい」という一言を添えるのが、2026年現在のスマートな配慮だ。