中学年代のスポーツ現場で深刻視されているのが、指導者や保護者の過度な期待が生み出す「バーンアウト(燃え尽き症候群)」や、過密な練習による「早期専門化の弊害」です。
全中標準記録という明確な数値を追い求めるあまり、家庭内では「ステージペアレント化」した親がタイムや食事、休日の過ごし方にまで過剰干渉し、親子関係が共依存に陥る危険性が潜んでいます。中学生アスリートが真に自立した競技生活を送るためには、親子の心理的バウンダリー(境界線)を正しく保つことが極めて重要です。
「記録を出すこと」と「子どもの人間的価値」を混同してはなりません。全中突破は素晴らしい目標ですが、中学生年代の陸上競技は長いアスリート人生の通過点に過ぎません。怪我を押してまで目先の全国出場を強行し、骨端線損傷や腰椎分離症によって高校以降の選手生命を絶たれてしまっては本末転倒です。目標に真摯に向き合いながらも、冷静に選手の身体的成熟度を見守るバランス感覚こそが、大人の側に求められています。