プロの味と家庭の味を分ける境界線は、一体どこにあるのだろうか。銀座で創業50年を誇る洋食店の総料理長は、「火の通し方と、ほんの少しの酸味の質」だと語る。
家庭で最も再現しやすい基本の黄金比率は【醤油 2:みりん 2:酒 1:昆布出汁 1】。ここへ、わずかな赤ワインと隠し味の「練りカラシ」を爪楊枝の先ほど加える。カラシのツンとした辛味ではなく、全体をキュッと引き締めるコクへと化けるのがポイントだ。また、ソースを煮詰める際はフライパンに残った肉汁と絶対に切り離してはならない。肉の旨味をエマルジョン(乳化)させることで、まとまりのある艶やかな仕上がりになる。