千年の都・京都は、清水焼や楽焼といった伝統陶芸の宝庫であると同時に、戦後の前衛陶芸運動「走泥社」を生み出した革新の地でもある。西條茜は、2014年に京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器を修了した。
伝統的な窯業技術を基礎としながらも、彼女の関心は「美しい器を作ること」には向かなかった。むしろ、陶という素材が歴史的に背負ってきた「用途」や「装飾性」を解体し、現代美術のコンテクストへいかに接続するかという問いに向き合い続けたのである。
母校である京都市立芸術大学で非常勤講師を務めた経験も、彼女の思考をより客観的かつ理論的なものへと深めさせた。技法の伝承と批評的思考の往還。この両輪が、西條の表現に揺るぎない説得力を与えている。