「終ノ型・朱眼」は、単なる強烈な一撃ではない。眼球の血流を極限まで高めることで、周囲の時間の流れが緩やかに見えるほどの動体視力を獲得する特殊な身体強化技だ。しかしその対価はあまりにも重く、失明のリスクと隣り合わせの諸刃の剣である。
童磨の血鬼術による凍てつく冷気は、呼吸器官を一瞬で破壊する脅威を持っていた。通常の接近戦が不可能な絶望的状況下で、カナヲはこの「朱眼」を発動。周囲の氷の結晶の動きすら見切り、死線を見極めて間合いを詰めた。胡蝶しのぶが自らの身体に仕込んだ毒が発効する一瞬の隙を見逃さず、嘴平伊之助との連携へと繋げた戦術的眼力こそ、彼女が研ぎ澄ませてきた剣士としての頂点を示している。