日本におけるオスの三毛猫崇拝は、生物学的な希少性だけで説明がつくものではない。古くから航海の安全を守る「船乗りのお守り」として珍重され、海難事故を防ぐ魔除けの霊力があると信じられてきた歴史がある。
文豪・夏目漱石の代表作『吾輩は猫である』のモデルとなった猫も、家に迷い込んできた福猫として大切にされた逸話が残る。商売繁盛の象徴である「招き猫」の多くが三毛猫の姿をしているのも偶然ではない。オスが持つ圧倒的な希少価値に、伝統的な民間信仰と縁起物としてのプレミアムが上乗せされた結果、他の純血種猫とは比較にならない伝説的なステータスが確立されたのだ。