フランス人技師ピエール・シャルル・ランファンが設計したワシントンD.C.は、整然とした格子状の道路と斜めに交差する大通りが組み合わされた、世界でも屈指の計画都市です。中心部にある巨大な国立公園「ナショナル・モール」を軸に、国家の最高意思決定機関が美しく配置されています。
西側には大統領の執務室「オーバルオフィス」と公邸を兼ねるホワイトハウスが構え、東端の高台「キャピトル・ヒル」には連邦議会議事堂がそびえ立ちます。この都市には1910年に制定された「建物の高さ制限法」が厳格に適用されており、議会議事堂のドームやワシントン記念塔を見下ろすような高層ビルは建設できません。
街全体がスミソニアン協会が運営する膨大な無料博物館群や記念碑で埋め尽くされており、商業看板で彩られたニューヨークのタイムズスクエアとは対照的な、荘厳かつアカデミックな静けさが漂っています。現地を訪れると、都市計画そのものが「三権分立の象徴」として機能している事実を肌で実感できます。