皮下にできるしこりの大半は、良性の「脂肪腫(リポーマ)」や「粉瘤」「血管腫」などです。日常の診察現場において、良性と悪性を見分ける基準として国際的にも用いられているのが以下の「臨床的危険サイン」です。
良性腫瘍と軟部肉腫を疑うべき特徴の違いは、主に4つのポイントで整理できます。
- サイズが5cm以上(ゴルフボール大以上):大きさが5cmを超えるしこりは、それだけで軟部肉腫を強く疑う根拠になります。
- 増大のスピード:数週間から数か月単位で目に見えて大きくなっている場合は、細胞増殖が活発な悪性腫瘍の可能性が高まります。
- 深さと可動性:皮膚の浅い層でコロコロと動くものは良性に多い一方、筋肉の奥(筋膜下)にあり、周囲に癒着して動かない硬いしこりは警戒が必要です。
- 硬さの不均一性:ゴムまりのような弾力や、触れた部位によって硬さが異なる不整な形状は注意を要します。
自己判断で揉んだり押し潰そうとしたりすることは、腫瘍周囲への細胞散布(播種)を招く恐れがあるため厳禁です。気になるしこりがある場合は、造影MRI検査や専門医による針生検(病理組織診断)を受けることが確定診断への唯一の道です。