タレントを個人事業主として扱い、労働法制の網の目から外してきた業界の悪弊も、今や見直しを迫られている。厚生労働省が策定した労働者の心の健康保持に関するガイドラインは、エンターテインメントの世界にも波及し始めた。フリーランス保護新法の施行やハラスメント防止策の義務化に伴い、現場でのメンタルヘルス体制の整備が急務となっている。
海外ではすでに、撮影現場にメンタルヘルスコーディネーターやインティマシーコーディネーターを常駐させることが業界標準となりつつある。日本の芸能事務所も、定期的なカウンセリングの導入やマネージャーに対する心理教育など、構造的な改革を余儀なくされている。スターを使い捨ての消耗品として扱う時代は完全に終わりを告げた。持続可能な創作環境の構築こそが、業界全体の延命につながる。