旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群の代表格であるこの橋は、かつて林業や地域開拓を支えた重要な鉄道インフラであった。その歴史的意匠と技術的価値が評価され、北海道遺産協議会によって「北海道遺産」の一つに選定されている。高度経済成長期の陰で役割を終えた産業遺産が、時を経てこれほどまでに人々を引きつける観光資源へと変貌を遂げた例は珍しい。
しかし、地元の観光業が直面しているのは「保全か自然衰退か」という過酷な二択だ。文化財として補修・保存を試みるには巨額の費用と極めて困難な現場工事を要するうえ、自然の理に任せて崩壊を見守るという基本方針が尊重されてきた。物理的な修復を行わない選択をしたからこそ、現在の「崩れゆく姿」そのものが哀愁と価値を生み出し、観光客を惹きつけ続けている側面もある。