日本国内でサプリメントを選ぶ際、一つの客観的な指標となるのが栄養機能食品の表示である。これは厚生労働省が定めた規格基準に基づき、特定の栄養成分が規定の範囲内で含まれている場合に、その機能を表示できる制度だ。例えば、亜鉛であれば「皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素」、ビオチンであれば「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」といった科学的に認められた表現が用いられる。
一方で、日本皮膚科学会の診療ガイドライン等における見解は極めて冷静だ。特定の重篤な栄養欠乏症(亜鉛欠乏による脱毛症など)が血液検査で認められる場合を除き、健常者がサプリメントを過剰摂取したからといって、発毛や伸長が促進されるという明確な医学的エビデンスは確立されていないと指摘する。広告上の甘い言葉と、公的機関や学会が提示する医学的見解との間にあるギャップを冷静に認識することが、賢い選択の第一歩となる。