旧店舗が位置した新宿3丁目の老朽化ビル解体というニュースは、当時多くの純喫茶ファンに衝撃を与えた。59年間にわたって積み重ねられた歴史がそこで潰えてしまうのではないかという危惧を払拭したのが、現在地である西新宿への全面移転だった。移転作業にあたっては、職人たちの手によって旧店舗のステンドグラスや照明器具、特徴的な調度品が一つひとつ慎重に取り外され、新しい店舗へと組み込まれた。
新店舗の扉を開けると、そこには現代の建築基準に適合しながらも、どこか懐かしく温かな空気が満ちている。かつての重厚感を損なうことなく再現された店内レイアウトは、単なる古き良きものの再現ではなく、現代の快適性と伝統の美学が見事に調和した結果と言えるだろう。