日本アニメ史に燦然と輝く金字塔『ルパン三世 カリオストロの城』。原作者であるモンキー・パンチが生み出したハードボイルドで無国籍な世界観をベースに、トムス・エンタテインメントが制作を手がけたこの劇場版アニメは、従来のシリーズとは一線を画す叙情的な傑作として結実した。その中心で無垢な光を放っていたのが、クラリス・ド・カリオストロを演じた島本須美である。
彼女の澄み渡る声は、泥棒稼業に生きるルパンの荒んだ心を溶かすだけでなく、映画館の観客全員を瞬時に物語へ引きずり込んだ。幽閉された塔の窓辺で佇む姿、風に揺れるベール。島本が吹き込んだ息遣いは、単なる「守られるヒロイン」にとどまらない、気品と芯の強さを併せ持つ唯一無二の存在としてスクリーンに焼きついている。