一般的な服従訓練の手法は、ウルフドッグに対して時に逆効果となる。力や圧迫によるトレーニングは、彼らの警戒心を恐怖攻撃へと変貌させる危険性が極めて高いからだ。信頼関係の構築こそが唯一の鍵であり、そのためにはポジティブ・リインフォースメント(正の強化)をベースにした高度な専門知識が求められる。
彼らとのコミュニケーションには、人間の側が「ボディランゲージ」を深く解読する能力が必要だ。耳の傾き、尾の位置、視線の外し方一つに至るまで、彼らが発する微細なサインを読み解かなければならない。訓練士の間でも「ウルフドッグを扱える指導者は日本国内でも数えるほどしか存在しない」と言われるのが実情だ。