国宝・彦根城天守閣が突きつける「本物」の衝撃——2026年、世界遺産決戦の最前線で鳴り響く木の叫び

国宝・彦根城天守閣が突きつける「本物」の衝撃——2026年、世界遺産決戦の最前線で鳴り響く木の叫び

今注目を集めている 国宝・彦根城天守閣が突きつける「本物」の衝撃——2026年、世界遺産決戦の最前線で鳴り響く木の叫びについて、多角的な視点を整理して公開しています。

靴を脱ぎ、ビニール袋を手に取って一歩踏み出した瞬間、目の前に現れるのは階段というよりも壁に近い斜面だ。天守内部にある階上への階段は、最も急な箇所で傾斜62度。手すりにしっかりとしがみつかなければ、身体ごと後ろへ持っていかれそうな錯覚に陥る。

「観光地の安全対策に慣れきった海外旅行者が、ここで足すくみ、数分間立ち往生する光景は日常茶飯事です」。現地でボランティアガイドを務める男性はそう話す。だが、この不便さこそが軍事要塞としての本質だ。万が一敵が侵入した際、上階から一気になぎ倒せるよう設計された構造。400年前の武士たちが靴足袋で駆け上がった木肌は、何百万という来訪者の足に磨かれ、黒光りするほどの艶を放っている。

高橋 健太
Author

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。