ヒロイン・あさを演じたのは、オーディションを勝ち抜いた波瑠だ。「びっくりぽん」という象徴的な口癖とともに、型破りな行動力で銀行や大学の設立に挑む主人公を溌剌と体現した。相撲を好むおてんばな少女時代から、実業家として酸いも甘いも噛み分ける晩年までを見事に演じ分け、若手実力派としての地位を決定づけた。
そのあさを包み込む夫・白岡新次郎役を務めた玉木宏の佇まいも語り草となっている。大物両替商の道楽息子でありながら、妻の夢を陰で支える粋な旦那様。三味線を嗜み、柔らかい関西弁で「あさ」と呼びかける優美な演技は、視聴者の心を瞬時に奪った。波瑠と玉木宏の絶妙な夫婦の掛け合いは、劇中に温かな温度感をもたらした最大の要因と言える。