歴史を振り返れば、天才と呼ばれる人物の多くが壊滅的な悪筆であったことは有名な話だ。アルベルト・アインシュタインのメモやスティーブ・ジョブズが遺した手書きのノートは、解読が困難なほど乱れていたことで知られる。
現代のスタートアップ界隈でも同様の傾向が観察されている。次世代エネルギー領域で脚光を浴びるシリアルアントレプレナーの原田健太氏(34)は、「自分の手書きメモは自分でも読めないことがある」と苦笑しながら語る。「だが、思考のひらめきを1秒でも早く可視化することの方が、文字の美観を整えることよりも100倍重要だ」。彼のメモは乱雑そのものだが、そこから生み出された事業価値は数千億円規模に達する。