幕内最高優勝45回、通算1187勝、幕内1093勝、横綱在位84場所。並び立つ者のないこれらの数字は、単なる統計データではない。心技体を極限まで研ぎ澄まし、怪我や重圧と戦い続けた血と汗の結晶だ。
相手の良さを引き出した上でねじ伏せる「後の先」の取り口から、晩年の気迫を前面に押し出した勝負への執念まで、大相撲の歴史の中で彼ほど変貌と進化を遂げた力士は他にいない。勝利への徹底したこだわりは時に議論を呼んだが、それこそが彼を孤高の存在へと押し上げた原動力だった。勝負の厳しさを誰よりも知る男だからこそ、その言葉には重みがある。