川栄李奈のキャリアを語る上で、2014年5月に発生したAKB48握手会襲撃事件を避けて通ることはできない。負傷という身体的・精神的に激しいトラウマを負う惨事に見舞われながらも、彼女は決して絶望に屈しなかった。
翌2015年にグループを卒業。アイドルとしての防衛線を取り払い、一人の「役者」として生きていく道を選んだ。当時、多くのメディアやファンは彼女の将来を案じたが、本人の意志は揺るがなかった。
アイドル時代の「おバカキャラ」というレッテルを自らの実力で塗り替えていくプロセスは、見事というほかない。バラエティで見せていた愛嬌のある笑顔の裏には、過酷な現場を生き抜く強いプロ意識と土壇場での勝負強さが秘められていた。