一般の結婚と歌舞伎役者の結婚で決定的に異なるのが、「梨園の妻」という公の役割の有無です。特に團十郎が背負う成田屋は、歌舞伎の宗家として歴史と格式を重んじる一門です。
梨園の妻に求められる具体的な業務には以下のようなものがあります。
・初日と千秋楽における劇場ロビーでのひいき筋への挨拶
・後援会会員への季節の挨拶状や贈り物、お礼状の手配
・公演ごとのチケットの手配と座席の差配
・役者の体調管理、食事管理、スケジュール調整のサポート
現在、これらの業務や家庭内のサポートは、團十郎の妹である三代目市川翠扇や、実母、そして長年成田屋を支えてきた熟練のスタッフたちが分担して担っています。すでにサポート体制が強固に確立されているため、「妻がいないと興行や一門が回らない」という実務上の破綻は起きていません。