『仮面ライダー鎧武』における呉島光実という役柄は、歴代の仮面ライダーシリーズの中でも極めて異質だった。主人公の相棒ポジションからスタートし、愛ゆえに暴走し、やがて仲間を裏切るダークヒーローへと変貌を遂げる。この複雑な役どころを、当時17歳だった高杉真宙は狂気すら感じさせる説得力で演じきった。
「ミッチ(光実の愛称)の裏切り」が毎週のようにSNSを騒がせていたあの頃、視聴者が抱いたのは怒りだけではない。彼の持つ危うさと、どこか哀愁を帯びた瞳に、多くの人々が目を離せなくなったのだ。正義とは何か、悪とは何か。その境界線上で葛藤する姿は、児童向け番組の枠を超えた人間ドラマの核となっていた。