見た目が類似しているため混同されがちなのが、バッタとキリギリス(ヤブキリ、クツワムシ等)の生態です。しかし、両者の食性は根本から異なります。
キリギリスとの食べ物の違いにおける最大の特徴は、キリギリス類が「肉食寄りの雑食性」である点です。キリギリスにエノコログサなどの草だけを与えていると、短期間で飢え死にするか、同じケース内の昆虫を激しく捕食します。キリギリスを飼育する場合は、ミルワームやコオロギ、煮干し、動物性ゼリーに加え、ナスやきゅうりなどを組み合わせて給餌する必要があります。触角が体長より遥かに長いものはキリギリスの仲間、触角が短く太いものがバッタの仲間と識別可能です。
また、春先から初夏にかけて捕獲されるバッタの幼虫の食べ物にも特段の配慮が必要です。幼虫は大顎の力が弱く、成虫が好む硬く筋張ったススキの成葉を噛み切ることができません。幼虫期には、イネ科植物エノコログサの柔らかい若葉や新芽、穂先の柔らかい部分、あるいは猫草の芽吹いたばかりの葉を厳選して与える必要があります。
幼虫は成長のために何度も脱皮を繰り返します。ケース内に十分な足場(垂直に立てかけた枝や金網)がないと脱皮に失敗して命を落とすため、エサやりと同時に立体的な空間設計を整えることが肝要です。