俳優としてのいしだ壱成を語る上で、脚本家・野島伸司との出会いは避けて通れない。1993年、フジテレビ系で放送され社会現象となったドラマ『ひとつ屋根の下』で三男・和也役を演じ、その瑞々しい演技で一躍全国区の知名度を獲得した。
そして1995年、TBSテレビの金曜ドラマ『未成年』で主演を務める。社会の理不尽に抗い、友情や愛に苦悩する少年・戸川博人役は、当時の若者たちのバイブルとなった。クライマックスで見せた魂の叫びは、今なお日本のテレビドラマ史に残る名場面として語り草だ。さらに1998年の『聖者の行進』では知的障害を持つ青年という極めて難度の高い役に挑み、圧倒的なリアリティで視聴者に強い衝撃を与えた。彼の演技には、計算された技巧を超えた、むき出しの人間性と脆さが同居していた。