多くの入浴指導や医療ガイドラインにおいて「42度以上のお湯は避けるべき」と警告される最大の理由は、自律神経系への急激な作用にあります。人間の自律神経は、体をリラックスさせる「副交感神経」と、活動・緊張モードにする「交感神経」の2つがバランスを取っています。
湯温が42度を超えると、身体は熱さを「ストレス刺激」と判断し、42度のお風呂に入った瞬間に交感神経が急激に優位になります。交感神経が刺激されると末梢血管がギュッと収縮し、脈拍が早まり、42度の風呂に入った直後に血圧が跳ね上がる現象が起きます。
特に危険なのが、湯船に浸かった直後の数分間です。血管の収縮と水圧によるダブルの圧迫が加わるため、お風呂で42度の熱湯に浸かる行為は心臓への負担を跳ね上げます。高血圧や不整脈の持病がある方はもちろん、健康な人であっても不意のめまいや動悸を引き起こす大きな引き金になります。