「まさかうちの庭に咲いている花が違法だなんて……」保健所や警察の立ち入りを受けた住人が口をそろえて漏らす言葉だ。2026年の最新行政データによれば、国内で自生または無許可で栽培され、行政によって強制撤去された違法ケシは年間数万本規模に上る。その多くは、意図的な栽培ではなく、鳥のフンや強風によって運ばれた種子が敷地内で発芽したケースだ。
違法なケシがこれほどまでに見分けにくい理由は、園芸店で一般に販売されている観賞用ポピー(ヒナゲシやオニゲシなど)と外見上の共通点があまりにも多いことにある。厚生労働省は毎年5月から6月にかけて全国一斉の「不正けし・あへんそう撲滅運動」を展開し、周知を図っているものの、外観の微細な違いを瞬時に識別できる一般市民は少ない。法的な知識がないまま放置すると、思わぬ法的リスクを背負うことになる。