現場を歩くと、靴の裏から伝わるアスファルトの冷たさと異常な滑りやすさに戦慄を覚える。一見すると濡れているだけに見える路面が、実は極薄の氷膜で覆われている。これこそが北国のドライバーを幾度となく罠に嵌めてきた見えない凶器だ。
単に「気をつける」という精神論だけでは防ぎきれない構造的なリスクがそこにある。過密な都市交通、気温の急激な変化、除排雪のタイミングのズレ。報道・ジャーナリズムの果たすべき責任は、単に惨状をセンセーショナルに書き立てることではない。なぜこの地点で、このタイミングで連鎖多重衝突が起きたのかという構造的欠陥に光を当て、次の惨事を防ぐための警鐘を鳴らし続けることにある。