情報感度の高い旅行者の間では「無料エリアだけ見れば入場料を浮かせられる」というテクニックが拡散されています。しかし、現場の運用実態を知る取材班の視点から見ると、この判断にはいくつかの決定的な盲点が潜んでいます。
第一の落とし穴は、大規模な花畑の「植え替え期(端境期)の更地化」です。広大な屋外花畑は、春のチューリップが終わった後、夏のひまわりの種を蒔き、秋のコスモスへとローテーションさせるため、年に数回、重機を入れて一斉に土を耕す期間が存在します。このタイミングに無料エリアだけを目的に訪れると、見渡す限りの広大な泥畑と対面することになり、観光体験としては手痛い失敗となります。一方、有料の「清流の里」やフローラルドームふらら内では、温室や宿根草ガーデンによって通年で花が絶えないよう厳密に管理されているため、壊滅的な事態を回避できるのです。
第二の盲点は、富士山の「気象トラップ」です。午前中は完璧な青空が広がっていても、夏場や気温の高い日は午前10時を過ぎたあたりから山腹に上昇気流が発生し、富士山頂周辺が濃い雲に覆われてしまう現象が日常茶飯事です。花畑が満開であっても主役の富士山が見えなければ、景観の魅力は半減してしまいます。出発前および現地到着時には、自治体や観光協会が提供するライブカメラと最新の山中湖周辺の天気をリアルタイムで突き合わせ、「山頂に笠雲がかかっていないか」「抜けの良い青空が出ているか」を分単位で確認することが欠かせません。
さらにアクセス面でも誤解が存在します。東富士五湖道路の山中湖ICから車で約5分という至便な立地ゆえに、ゴールデンウィークやお盆の最盛期には周辺道路(山梨県道717号線など)がボトルネックとなり、駐車場待ちの列が数百メートルに及ぶことがあります。無料駐車場を探して周辺を迷走する行為は時間を激しく浪費するため、素直に公式の普通車300円駐車場を目指すのが鉄則です。