家庭で失敗しないかき揚げを作るためには、グルテンの粘り(グルテンネットワーク)とデンプンの糊化(こか)特性を巧みに利用した衣の設計が不可欠です。市販の天ぷら粉を水で溶いて混ぜ合わせるだけの従来手法では、丸いコーンの表面に衣が定着せず、揚げ油の中で分離してしまいます。
プロの調理現場でも採用される最も確実な配合は、小麦粉(薄力粉)と片栗粉を「1:1」で合わせる黄金比です。小麦粉が持つ適度なグルテンが具材同士を結びつける「接着剤」の役割を果たし、片栗粉(馬鈴薯デンプン)が油の熱で硬化して「強固なクリスピーシェル」を形成します。
具体的な手順としては、まず凍ったままのコーンに大さじ1〜2程度の粉類を直接まぶす「打ち粉(粉打ち)」を行います。コーン表面の微小な氷結晶を粉が吸着し、ペースト状の皮膜を形成した段階で、極少量の冷水を加えて全体を重めのボタッとした粘度に調整します。天ぷら粉を使用する場合も、片栗粉を天ぷら粉2:片栗粉1の比率でブレンドすることで、時間が経過しても水分を吸ってへたらない極上の軽やかさが手に入ります。