祭りが真の熱狂に包まれるのは、日が落ちてからだ。5月4日夕刻に行われる万灯大会では、色鮮やかな装飾を施した巨大な万灯が競い合うように舞い踊り、参道は割れんばかりの歓声に包まれる。太鼓の重低音が地響きのように腹に響き、屋台で談笑していた人々も一斉に視線を注ぐ。
そして5月5日夜、街中の明かりがすべて消され、完全な暗闇の中で神輿渡御が執り行われる。東京都指定無形民俗文化財の真髄がここにある。漆黒の闇の中、神輿の鈴の音と担ぎ手の野太い掛け声だけが響き渡る光景は、息をのむほど幻想的だ。屋台の灯りもこの時間ばかりはトーンを落とし、神秘の儀式を見守る。