赤い幾何学的な車体が印象的なモンタンヴェール鉄道に揺られ到着する場所、それがメールドグラス氷河(氷の海)だ。かつては壮大な氷の絨毯が谷を埋め尽くしていたが、地球温暖化の影響を受け、氷床の後退は年々深刻さを増している。階段を下りて氷の洞窟へ向かう巡礼の道筋は、気候変動の猛威を目前で突きつける生々しい現場でもある。
この環境課題に対し、運航会社であるカンパニー・デュ・モンブランは持続可能な観光モデルへの大胆な転換を進めてきた。最新型の環境配慮型キャビンや新ルートの建設により、観光客の環境負荷を抑えつつ氷河の保全活動を支援する取り組みが加速している。減り続ける氷を保つ技術革新と教育的展示は、訪れる世界中の旅行者に強い環境意識を植え付けている。