ほうれん草独特の歯ざわりや舌に残るえぐみの原因は、成分に含まれる「シュウ酸」だ。このシュウ酸をいかに効率よく取り除くかが、おひたしの成否を分ける。ポイントはたっぷりのお湯と塩の濃度である。
1リットルの沸騰したお湯に対して小さじ1の塩を加え、根元から順に湯に入れる。茹で時間はわずか30秒から45秒。長時間の加熱は葉を痛め、鮮やかな緑色を損なう原因となる。茹で上がったら直ちに氷水に落とし、一気に冷却する。この「色止め」の作業によってシュウ酸が水中に溶け出し、クロロフィルが安定して目が覚めるような鮮緑色が保持されるのだ。