前日計量での殴り合い、SNSでの罵詈雑言。数ヶ月にわたり激化していた因縁の二人による決闘は、凄絶を極めた。ガードを捨てて足を止め、お互いの顔面を拳で殴り合う泥沼のノーガード戦法。前歯を折り、血を流しながらも前に出続ける両者の姿に、会場からは叫び声のような声援が響き渡った。
判定のベルが鳴った瞬間、互いに崩れ落ちるように抱き合った。直前までの憎悪は消え去り、そこにあったのは男同士の意地とリスペクトだけだ。「あいつだったから、ここまで自分を追い込めた」。敗者が語った言葉に、駆けつけた大勢の観客から惜しみない拍手が送られた。