品川駅港南口の居酒屋シーンにおいて、なかめのてっぺん品川の人気が衰えない最大の理由は、徹底して計算された「原始焼き」のクオリティと、空間全体のグルーヴ感にあります。中目黒の1号店が築き上げた“炉端を囲む大人の隠れ家”というDNAを継承しつつ、品川店は大都市の最前線で働くビジネスパーソンの心身を解きほぐす場として機能しています。
なかめのてっぺんが貫く「原始焼き」とは、鮮魚を竹串に刺し、炭火の周囲に立てて遠火の強火でじっくりと焼き上げる伝統技法です。炭の直火に当てず、放射熱だけで火を通すため、魚の余分な水分と脂だけが落ち、皮目はパリッと香ばしく、身の中には芳醇な脂と水分が閉じ込められます。一般的なガス台や網焼きでは決して再現できないこのテクスチャーこそが、舌の肥えた品川のワーカーたちを虜にしている根源です。
さらに、カウンター越しに料理人が豪快に魚を焼き上げ、大きなしゃもじで料理を差し出すパフォーマンスが、単なる「外食」を「体験型エンターテインメント」へと昇華させています。取材に応じた飲食トレンドリサーチャーは次のように分析します。「効率化や配膳ロボットの導入が進む現代だからこそ、職人の熱気と手仕事が目の前で伝わる炉端カウンターの温もりが、ビジネスパーソンの情緒的欲求を強く満たしています」。