こうした変化を後押ししているのが、あえて酒を飲まない・距離を置く生き方を選択する「ソバーキュリアス」と呼ばれるムードの広がりだ。若年層を中心に浸透したこの価値観は、単なる禁欲主義ではなく、「シラフでいることのスマートさや快適さ」を楽しむ洗練されたライフスタイルとして定着した。
同時に、現代のセルフヘルプの領域も大きな変容を遂げている。かつてアレン・カーが著書で説いた「我慢するのではなく、依存の仕組みを理解して恐怖から解放される」という洞察は、最新の行動科学と合流した。根性論で耐え忍ぶ時代は終わりを告げ、自分の心身を客観的に観察し、よりパフォーマンスの高い状態へと導く「自己実験」として禁煙と禁酒を楽しむ人々が主流になりつつある。