春高バレー全国大会の2回戦、烏野高校の前に立ちはだかった稲荷崎高校。その中核を担っていたのが角名倫太郎だ。コート上で一見すると省エネモードの脱力感を漂わせながらも、試合が深まるにつれて牙を剥く「スロースターター」としての性質は、相手チームにとって悪夢そのものだった。
最大の武器は、一般的なブロッカーの常識を覆す胴体のしなりだ。腰の捻りと強い体幹を生かし、空中へ跳び上がった状態からスパイクの打点を左右へ自在にズラす。烏野の月島蛍がどれほど完璧なタイミングで跳び上がろうとも、そのブロックの手を嘲笑うかのように脇を抜いていく広角スパイクは、視聴者に強い衝撃を与えた。
プレーの鋭さとは対照的に、コート外で見せる脱力系キャラとしての日常風景も彼の大きな魅力となっている。特に、主将である北信介がユニフォームを手にして涙を浮かべた瞬間に、すかさずスマホを向けて撮影しようとする抜け目のなさや、宮兄弟の激しい喧嘩を特等席で面白がりながら動画に収める姿は、ファンの間で愛され続ける名シーンだ。