美術業界の専門家や批評家が注目するのは、彼女の油彩画における重厚なマチエール(画肌)と徹底した密度の高さだ。具象絵画という伝統的な枠組みを採用しながらも、古典的な描写技術に囚われない自由なマチエール作りが施されている。絵の具を何層にも塗り重ね、削り、再び重ねるプロセスを通じて、独特の深みと立体感が描き出される。
さらに筆力のみならず、キャンバスのスケール感も特筆に値する。100号(約162×130cm)を超える大作を毎年のように描き上げる作業は、過酷な肉体労働を伴う。細部の描き込みに対する集中力と、画面全体の構成を破綻させずに描ききるデッサン力。これら専門的な画技の積み重ねこそが、玄人筋からも高く評価される理由だ。