現代の改元手続きは、1979年に制定された元号法に基づいて厳格に進行する。「漢字2字であること」「書きやすく読みやすいこと」「過去に使われていないこと」など、明確な選定基準が存在する。表舞台で主導権を握るのは政治機関である内閣府だが、伝統儀式や皇室の意向を尊重する宮内庁との精妙な連携なくして改元は成立しない。
2019年の改元は、元号法制定以来初となる譲位に伴うものだった。明仁上皇の退位と徳仁天皇の即位という歴史的瞬間において、内閣府は極秘裏に複数の学者へ考案を依頼。選定委員会での議論を経て新元号を決定した。天皇の即位と元号の更新が交錯する瞬間は、国家の法制度と千数百年の皇室伝統が融和する極めて象徴的な場面となった。