スウェーデン王妃が創設した名門ケア拠点シルヴィアホーム(Stiftelsen Silviahemmet)では、パーソン・センタード・ケア(その人を中心としたケア)の基本柱として、このケア技法を公式に採用した。認知症の進行に伴って言葉によるコミュニケーションが失われても、触覚を通じた意思疎通は最期まで残る。シルヴィアホームの理念は、北欧全土の認知症ケアプログラムの基準となった。
日本国内への普及において決定的な役割を果たしたのが、日本スウェーデン福祉研究所(JSCI)の活動だ。JSCIは本国の教育メソッドを忠実に移植し、看護師や介護福祉士に向けた認定資格講座を展開。さらにNHK厚生文化事業団などが主催する福祉フォーラムやドキュメンタリー番組を通じてその驚くべき臨床効果が広く知れ渡ることとなった。現在では、急性期病院から特別養護老人ホーム、在宅訪問看護に至るまで、多職種連携を支える共通言語として定着している。