ネット上の掲示板やSNSでは、「九大病院に行けばどんな病気も一発で治してくれる」「待ち時間が長すぎて対応が冷たい」といった極端な口コミが見受けられます。しかし、これらの言説には大学病院のシステムに対する誤解が含まれています。
まず、「名医に最初から最後まで専任で診てもらえる」という期待は現実と異なる場合があります。大学病院は教育・研究機関でもあるため、診察や病棟管理には若手の専攻医や大学院生医師がチームの一員として関わります。もちろん最終的な治療方針や難易度の高い手術は教授・准教授・科長クラスの指導医が責任を持って主導しますが、日常的な処置や説明はチーム制で行われるのが基本です。
また、症状が安定した患者に対しては、地域のクリニックやかかりつけ医へ逆紹介(転院)を促す方針が徹底されています。「治るまでずっと九大病院に通い続けたい」と希望しても、急性期治療を終えた段階で地域医療へ引き継がれるのは、医療資源を公平に分配するための国の制度的要請です。
【プロの結論】九州大学病院を選ぶべき人・地域の医療機関を優先すべき人の判断基準
九州大学病院の持つ高度な医療リソースを最大限に活かすためには、患者側の適切な「受診の使い分け」が求められます。
▼九州大学病院を受診すべき明確な条件:
- かかりつけ医から「精密検査が必要」「当院では治療困難」と診断され、正式な紹介状が出ている人
- がんの告知を受け、先進的なロボット手術、遺伝子治療、臨床試験(治験)の選択肢を模索したい人
- 全国的にも症例数が少ない難病や、複合的な合併症を抱えており多職種チームの介入が必要な人
▼地域のクリニック・一般病院を優先すべき条件:
- 風邪症状、軽度の腹痛、初期の高血圧や糖尿病など、日常的なプライマリ・ケアの範囲内である人
- 紹介状を持っておらず、高額な選定療養費(11,000円)や半日がかりの待ち時間を避けたい人
- 医師とじっくり時間をかけて日常の体調相談を行いたい人