環境省や気象庁が熱中症予防の主軸として発信している「WBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)」は、まさにこの湿球温度を根幹に据えた指標です。
WBGTの計算式を見ると、湿球温度がいかに重視されているかが一目で分かります。
・屋外(日射あり):WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
・屋内(日射なし):WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
上記のように、計算式の実に7割(70%)を湿球温度が占めています。通常の気温(乾球温度)の影響力は屋外でもわずか10%に過ぎません。人体への熱的ストレスを測る上では、空気の乾いた熱さよりも、水分の蒸発を阻害する湿気の方が圧倒的に危険だからです。
気象庁と環境省が運用する熱中症警戒情報では、最新の運用基準に基づき段階的なアラートが発令されます。WBGTが28度以上で「厳重警戒(激しい運動は中止)」、31度以上で「危険(運動は原則中止)」に達します。さらにWBGTが33度以上と予測されると「熱中症警戒アラート」、過去に例のない広域的な極端高温によりWBGTが35度以上に達すると予測される場合には一段上の「熱中症特別警戒アラート」が発令され、冷房設備の整った指定避難場所(クーリングシェルター)の開放など特別な防災措置が発動されます。