「科学的なエビデンスはありません」と、多くの小児科医は口を揃えます。しかし、彼らもこの方法を全否定しているわけではありません。薬理学的な直接作用は見込めなくても、塗るという行為自体がもたらす安心感、いわゆる「プラセボ(偽薬)効果」は無視できないからです。特に子どもにとって、親が優しく足をマッサージしながら薬を塗ってくれる時間は、自律神経を安定させ、咳の反射を抑える強力なトリガーになり得ます。
さらに物理的な要因もあります。足の裏に塗ったヴェポラップから揮発したメントールやユーカリ油の成分が、布団の中で温められ、呼吸を通じてゆっくりと鼻や喉に届いているという指摘です。つまり、足に塗っているつもりでも、結果的に「吸入」している状態が作られているわけです。