航空会社にとって、重量は燃料消費量と直結する死活問題だ。大型機の航空機塗装には、下地処理剤からプライマー、トップコートに至るまで数百リットルの塗料が使われ、その総重量は乾燥後でも200キロから500キログラムに達する。これは大人数人分の乗客と手荷物を積載しているのと同等の重さである。
濃色や多色刷りの複雑なリバリー(機体デザイン)は、塗料の層を重ねる必要があり、それだけで十数キロ単位の余分なデッドウェイトを生む。機体メーカーのボーイングやエアバスが設計段階でグラム単位の軽量化を競い合うなか、最も薄く均一に塗布でき、なおかつ耐久性に優れた白色塗装は、燃費効率を最大化するための最も賢明な選択肢となる。20年以上に及ぶ機体のライフサイクル全体で試算すれば、わずかな塗膜重量の差が数千万円規模の燃料費格差へと直結する。